参戦レポート
UAEデザートチャレンジ2004
Team JPN

 UAEデザートチャレンジ2004は、5日間・約2000kmに及ぶ競技を終え、10月15日(金)、UAE(アラブ首長国連邦)第2の都市、ドバイでゴールを迎えた。
堀田修がレース最終日に、ステージ・9位を獲得。砂丘デビューを果たした深谷健治は、XR400でM1-400ccクラスに参戦、初出場にもかかわらず、この厳しいレースの全てを走り、総合48位でゴールした。XR400でM3-400ccクラスに初参戦した川崎智弘は、レース初日に暑さのためピストンが溶けるという大トラブルに見舞われたが、レース中にエンジンをリカバリー、見事に総合53位でゴールを迎えた。M1-OPENクラスにKTM660RALLYで参戦した堀田は、M1(市販車無改造)クラス7位、総合14位でゴールした。
 ゴールの時を迎えた砂丘の戦士たちは、豪華クルーザーが並ぶドバイ・インターナショナル・マリンクラブにて、大観衆が迎えるポディウムに立った。

 順位を上げてきたところでゴールを迎えた堀田修、余力を残した表情を見せる。「今回4度目の参戦にして、納得の出来るレースが出来た。徐々に調子が良くなってくる順調なレース展開で、初めてのレースのように楽しいレースだった。マシンの信頼性は100%、サポートクルーはとても力強い存在だった。体も絶好調で怪我も筋肉痛もない。40℃を超すこの暑さにも慣れてしまったよ。」
 総合48位で全コースを走り遂げた深谷健治、多くを学んだ。「これまで、積み上げてきた運と実力を出し尽くすことが出来た。大いに満足している。正直、砂丘は怖かった。サポートクルーに会うことで落ち着くので、サポートポイントを目指し走り続けた。何度もスタックした。泣きそうになることもあり、自分の弱さを知った。いろいろな発見があった。これらのポジディブな経験をもとに、もっと強くなり、次回は順位を上げたい。」
 ラリー初出場の川崎智弘は総合53位、厳しいデビュー戦となった。ピストンが溶けるという、想定外のトラブルで一時レースから離れた川崎であったが、メカニックとの懸命な努力により修理を終え、最終ステージのスタートを切った。しかし、UAEの大自然は再び彼に試練を与えた。相次ぐトラブルで彼を追い詰めた。「たった1度のスタック、脱出に多大な時間を費やし、ワンミスの恐さを感じた。スムースで快調だっただけに悔しい。集中力を維持しミスなく走ることの難しさを感じた。走り足りない。」
 自身のリミットを見た川合アユム。リタイヤという結果に終わったが、この過酷なラリーにおいて、初出場の川合が見せた3日間の戦いぶりは、健闘を称えるにふさわしいだろう。「死ぬかと思ったよ!暑くてね(日中気温46℃)。自分の持っている力の限界を感じた。パワーアップして挑戦したい。デューンは最高だった!おもしろい!ダカールが少し遠くに見えたかな(笑。」1週間前にゴールしたファラオラリーとUAEデザートチャレンジ、立て続けに2レースをこなした川合、次はダカールラリーに挑む。2005年元旦スペインのバルセロナをスタート、一路ダカールを目指す。
 不運なマシントラブルにより、戦線離脱を余儀なくされたベテラン大橋輝之。万全な体制で、強い意気込みを見せていただけに、強い悔しさが残っただろう。だが、リタイヤ後の大橋はサポートクルーとして活躍し、チームのためにベストを尽してくれた。「残念なら初日にリタイヤとなってしまった。キャンプ地で待機が長く、日に焼けたね。今回は、サポートクルーの大変さがわかった。KTM660RALLYのポテンシャルは素晴らしかった。」
 壮大なラリーを終えて、まずまずの結果となった。辛い時期もあった。46℃に及ぶ猛暑、想定外の暑さによる相次ぐマシントラブル。灼熱の砂丘で13時間に及ぶ苦戦を続け深夜キャンプに戻った川合、初の砂丘に恐怖を感じながらも挑みづつけた深谷、自分のペースをキープしM1(市販車無改造)クラス7位という成績を残した堀田。とても思い出深いレースとなった。

 TeamJPNを応援してくれた方々に、感謝したい。この熱いエールに励まされ、この厳しいレースを戦い続けることができた。

「ご声援、ありがとうございました!」

 TeamJPNは、2005年度クロスカントリーラリー・ワールドカップに向け新たな準備を始める。近日中にスケジュールを発表する予定である。
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